自宅で過ごす大切さ



自宅で過ごす大切さ

私が学生のときに出会ったAさんのお話をします。
Aさんは女性で当時、70歳代でした。ご主人と2人暮しで、とても仲の良い夫婦でした。
しかし、ある日、Aさんは胸の痛みを訴え、救急車で病院に搬送されました。 診断の結果、入院が必要でしたが、Aさんは入院を拒否しました。 「自宅で主人と暮らしたい」これがAさんの希望でしたが、家に帰ることは認められず、入院生活が始まりました。腰痛があるご主人は、毎日病院に通うことができませんでした。
「自宅に居た頃は、主人と毎日一緒だったのに・・・」とAさんは思っていたそうです。 Aさんの病状は悪化していく一方でした。そんなAさんをみて、「自宅に帰らせてやりたい」というご主人の強い希望により、Aさんは自宅に帰ることになりました。
自宅に戻ってから1週間が経ったとき、Aさんに変化がありました。1人で起き上がれるようになったり、ご飯を食べられるようになったり・・・Aさんの体調はますます良くなり、表情も明るくなりました。
Aさんは、「やっぱり家がいいね」とご主人に言ったそうです。
この話を聞き、当時、学生だった私は大きな衝撃を受けたのと同時に、訪問リハビリへの興味を持ちました。 住み慣れた家で、大切な人と過ごすことが、こんなにも、その人の身体に影響を与えるのだと思いました。
その人がその人らしく生きている場面に、訪問リハビリとして携わることができているなんて、本当に素敵なことですよね。

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