訪問リハビリから生活改善


訪問リハビリから生活改善

今年1月からの訪問リハビリ開始でした。この方は認知症を呈していて、ベッドで寝ているか、ベッドに座ってテレビをみているだけの生活で、問いかけにも「そうやね。」や「はい。」としか返答がありませんでした。尿便意もなく、オムツ内での排泄で家族の全介助が必要でした。訪問リハビリ開始前は体調を崩して入退院の繰り返しで関節も拘縮があり、歩行もできませんでした。リハビリを行っていくにつれて、まず約半年ぐらいで尿便意がわかるようになりました。回復の要因はわかりませんが、関節可動域の改善と繰り返しのトイレまでの歩行練習により、ある日ふと1人で歩いてトイレに行き、排便をされました。突然のことで家族の方も驚かれたようです。
認知症もあり、転倒のリスクがあるので、私も驚いたと同時に怖さもありました。とりあえず家族にできるだけ歩いた時は見守りをしてもらうように依頼しました。認知症のため、歩かないようにとの約束が守れないので、歩いても転倒しないように同じルートでの繰り返しの歩行練習と筋力強化を行いました。その結果、8ヶ月ほど経つと1人でトイレに行き、パットの介助は必要ですが排泄ができるようになりました。家族の介助量が劇的に減少しました。
改善したのはそれだけでなく、訪問リハビリ開始前は基本的に無表情だったのが、笑顔がよくでるようになり、さらに私が訪問すると「よく来たね~。」と言ってくれるようになりました。リハビリでご利用者の生活や身体機能を変えることができたことはセラピストとしてこの上ない喜びです。
これからもこうした効果が得られるようなリハビリを行っていきたいと思います。

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